Euro2012: Spain vs Italy グループリーグ: やっぱり魅せるカテナチ男

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いつもWordCup, Euroが来る度に、サッカー観戦をおおいに楽しんでいるつもりだったのだが、 振り返ってみるとさして覚えていないことに気づく。だからたまには文章にしておきたいと思う。 深い考察などどこにもないけれども、書くことで自分がどんな楽しみ方をしているか・していたか それらを残し、明確にしていけるといいという安易な目論見である。

そんなところで、今回記事を書こうという気まぐれを起こすフックになったのは、 大会ベストバウトの呼声高い、グループリーグでのイタリア vs スペイン戦だ。 そこから派生して、思いついた順に書いていくことにしよう。まとまった切り口など当然ない。

カッサーノの技術は明らかに目に付く。優位に立っている試合では、その技術を見せびらかせるものの、 どこのチームが相手でも違いを作り出せる、そんな選手は多くない。 強いプレスに晒されていてもなお、その強さタイミングの質に関わらず、プレーが大きく変わらない。 最もその才能が表出する瞬間は、僕はやはりパスを出すときだと思う。

誰にも見えていない、ともすれば受けてすら見えていない - それでいて反応はできる - 空間・時間を見つけ出し、決定的なシーンを演出する。 使い古された言い方なのだろうが、バッジョの系譜を継ぐ選手であることに疑いはない。 だからアントニオはいつだって、愛されるものとしての特別な位置にあり続けることができる。 イタリアのメシア信仰というか、ファンタジスタへの特別な扱い、その姿勢は、日本人の好くところだと思う。

いきなり話は飛ぶ。観戦における大切な要素、解説者について、だ。 これについても皆言いたいことは大いに持っていることだと思う。 野口幸司の解説は試合鑑賞をより楽しいものにしてくれている、素人の観点では気づくのが 難しいポイントを、適切なタイミングで気づかせてくれる。 その、質の高いコメントは、補足の形を取ることが多い。 そして、なにより声がいいのだ。他の現役上がりたての解説者は声が悪すぎるように思う。 とは言ってみたものの、Wowowの解説陣は誰も渋く、(expt.奥寺さん・安永さん)、非常に聞きやすい ということを冷静に考えれば気付かされる。

特にミッシェルさんなどはお気に入りですらあった。 その語口は、ジエイに劣らずユーモラスで、厳しいお言葉もはっきり言い、それでいて出しゃばり過ぎてない。 リーガダイジェストをご覧になっている方はよくご存知だと思うが、 ビルバオのトケーロがお気に入りな点もポイントが高い。僕もトケーロが好きだ。 トケーロが好きな人も好きだ。

さて、好勝負を繰り広げた両者だが、ともすれば決勝で再戦を、という可能性もあるようだ。 その時が来たとして、イタリアの屈強でどこまでもしたたかなカテナチ男たちにとって、 いかに上手く、恐るべきちびっこたちによる、”ティキタカ”とは言え、本当の怖いのはイニエスタだけだろう。 予測不可能なドリブル・パスを高頻度で出し続けるのは彼だけのように思う。 比べてしまえば、シルバでさえ、ただ上手いだけの選手に見える。 何度も言うが、時間を操るのは一握りの才能のみに許された特権なのだ。

ここまで読まれていただくとわかるように、僕はどこまでいってもイタリア目線である。 あの男達はスペイン、ドイツのそれに比べて、妙に気になる、見ているだけで楽しいのだ。 まず、守備に・ポストに意外と献身的なバロテッリ。 彼のエンターテイメント性は、近年のナショナルチームにおいては突出しているんじゃないかな。 プレーがそれに追いついてくるといい、そして追いつきつつある。 サッカーファンにとっては、ここ数年の悦びにつながるだろう。 そして、脇を固める他のプレーヤー達、 おっさん風情ながら高速で決定力抜群のディ・ナターレ、 渋すぎるブッフォン、 シャビにすら譲れない地位を与えたいピルロ、 名前が紛らわしいながらも普通にベストイレブンクラスの力を持っていそうなマッジョ・マルキージオ、 どこかゲイっぽい?キエッリーニと、 個性あふれる面々にが彩るアズーリは、いつの大会も私のお気に入りなのであった。

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